古代より敦賀は日本海の海路と北陸道の陸路から畿内への結節の町だった。しかし、明治維新によって政治・経済の中心が東京に移行し、日本海側の多くの港町は衰退・消滅していったが、敦賀は明治政府の近代国家建設のもと、大陸への重要港として未曽有の発展・繁栄した。その繁栄ゆえに先の大戦で港と中心街は灰塵に帰した。戦後、海運から陸運、モータリゼーションの進展によって敦賀の町は大きく変容した。また、原子力発電所立地都市としての顔を見せるが、東電福島第一原子力発電所の事故は敦賀を揺るがせ続けている。敦賀はいま模索を続けている。 |
敦賀の盛衰 | |||
陸路と海路が交差する敦賀の盛衰はその両者の変容によって繰り返された。また、太平洋側にもっとも近い日本海側の町(半日本海的)として、特異な歴史を刻んだ。 | |||
古代 日本海交流とヤマト朝廷の結節点 | |||
海 路(水運) | 陸 路(陸運) | ||
古代 |
都会と田舎と敦賀 | ||
都 会 | 敦 賀 | 田 舎 |
高い家賃・非人間的住居環境 | 適当な家賃・住居環境 | 過疎化・空き家 |
やりがいのある仕事 | やりがいのある仕事が少ない | 雇用の機会なし |
職住の隔離 | 職住近接 | 職住同一 |
住居地域内日常性・衛星都市 | 地域内日常性・地方独立型都市 | 不十分な日常性・孤立した村々 |
自然から隔離 | 簡単に山・海や公園にたどり着ける | 自然の美しさ |
壮大な建築群・地下街・かすんだ空 | 中・低家屋・澄んだ空気と水 | 手付かずの土地・新鮮な空気 |
群衆の中の孤独 | 血縁・地縁関係 | 血縁 |
ドラステイツクな歴史 | 古く特異な地域史 | 古く単調な集落の歴史 |
地方独自(立)型の町へ | |||
敦賀は他の地方都市と画した独自の側面を持っていた。しかし、時代の変容は町を変える。IT社会の進展は未曾有の社会を現出させるだろう。敦賀も自ら主体的に変わらなければならない。この町には、過去の中にも、これからにも「独自の町」作りに必要な資産がある。 | |||
敦賀を舞台にした特異な歴史を語る。 | |||
「小京都」と言われる多くの町には、現存する歴史的建造物があり、伝統的な工芸等がある。敦賀には少ない。しかしAR(拡張現実)は歴史を語るに有用な手法である。敦賀の古く、特異な歴史を画像・動画で表現できる。(一部戦前敦賀港のARアプリを市において作成している。)残った数少ない歴史建造物を利用した、過去の繁栄を懐古するだけでなく、お国自慢でもなく、歴史の有りのままを語り、「歴史の町敦賀」を発信する。 | |||
交通の要地を活かしたPA建設+敦賀きらめき温泉リラポート | |||
時代は海運から陸運に比重が移ったとしても、敦賀は交通の要地である。敦賀ICを人的・物的流通の拠点とし、次世代の新しい「ターミナルの町」実現が可能である。 | |||
身近な自然 | |||
地方都市の快適なくらしには、産業振興は言わずもがなであるが、自然との共生が不可欠な条件となる。より身近なものにするために、公園・野山の遊歩道・登山道などの整備があるが、ベースには第一産業(漁業・農業等)の振興が必須となる。 | |||